こんにちは、チェルシーです。
寒くなる時期は忙しさと同時に病気の危険性も高まってきますね。そんな中、注意したい病気のひとつにロタウイルス感染症があります。
「耳にしたことはあるけど、どんな症状が出るか知らない」なんて人も結構いるんじゃないでしょうか、それではさっそくロタウイルスの症状や特徴について見ていきましょう。
目次
ロタウイルスとは
ロタウイルスの主な症状
ロタウイルスの主な症状は、急性の胃腸炎です。個別の症状だと、微熱くらいの発熱と激しい腹痛や強い吐き気におそわれ、水のような下痢、激しい嘔吐(おうと)を繰り返します。
また下痢や嘔吐の症状が繰り返し続くので、重い脱水症状を起こすこともあり、ひどくなると点滴や入院が必要になることがあります。
大人の症状
大人の場合、普通ロタウイルスに何度も感染しているため、ロタウイルスに感染してもほとんどの場合、症状が出ません。出たとしても軽い下痢や倦怠感程度で済むことがほとんどです。
しかし大人の場合でも疲労、高齢者、妊娠中などで、免疫力や体力の低下し、ロタウイルスの症状が発症することもあり、その際の症状は子供と同じような症状が発症します。
ただ大人の多くの場合はロタウイルスが原因ではなく、ノロウイルスが原因の胃腸炎であることが多いです。その際の判断基準のひとつにロタウイルスの場合は、便の色が米のとぎ汁のように白っぽいことがあげられます。
ロタウイルスの特徴
子供に症状が非常にでやすい
上の通り、ロタウイルスの患者のほとんどは6歳くらいまでの乳幼児と言われ、生後6か月~2歳くらいまでがピークで、5歳までにほぼすべての子供に感染すると言われています。
特に、ロタウイルスに初めて感染すると、症状が重くなりやすいことも特徴です。
感染力が非常に強い
ロタウイルスの特徴に感染力が非常に強いことがあげられます。
具体的には、感染者の1グラムの便に1,000億~1兆個ものロタウイルスが含まれているにも関わらず、体内に10~100個ほどのロタウイルスが侵入しただけでも感染すると言われています。
流行の時期
年によって違いますが、例年であれば3~5月にかけて、ロタウイルスによる胃腸炎の症状が、乳幼児を中心に流行します。
どれくらいで治る?
ロタウイルスは、1~3日ほどの潜伏期間をへて、その後発症します。程度にもよりますが、症状の発症からだいたい1週間前後で完治すると言われています。
ロタウイルスの患者数
ロタウイルスの症状が原因で病院に訪れる人は、年間80万人程度と言われています、そのうち2.3~6.6%の患者さんが入院していると言われています。
そしてロタウイルスによる死亡率は日本では低いものの、それでも毎年2~18名ほどの死亡例が報告されているそうです。
ロタウイルスの予防法
ロタウイルス感染の原因
ロタウイルス感染の主な原因は、ロタウイルス感染者の唾液や便に含まれるロタウイルスが、いろいろな場所に付着し、そこに手を触れるなどをへて、口から体内に侵入することによって感染します。
手洗い
予防の基本は手洗いです、ほとんどの場合、手に付着したロタウイルスが口から侵入して感染することが多いようです。
洗い方は、せっけんを使って、爪の間や手首なども含めて30秒以上のもみ洗いをしっかりすることです。
しかしロタウイルスは非常に感染力が強いため、しっかりと手洗いしたからと言って完全に除去するのは難しいようなので、気休め程度の効果だそうです。
排泄物の処理に要注意
ロタウイルス予防は、ロタウイルス感染者の排泄物を処理する際に一番注意が必要です。必ず使い捨てのゴム手袋などを使って、衛生的に処理しましょう。
おむつなどの排泄物が付着した衣類は、密封して捨てるか、洗う場合は他の衣類と分けて、塩素系の漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを)を使って消毒するようにしましょう。(柄物などは色落ちする恐れがあるのでその点も注意して下さいね)
床や壁などに付着した場合も同様に消毒する必要があります。ただし次亜塩素酸ナトリウムは劇薬なので、洗ったものなどに誤って乳幼児が触ったり、口に含んだりしないように使用にはくれぐれも注意して下さい。
またノロウイルスはアルコールに強いため、通常のアルコール消毒では、消毒効果は期待できません。
子供に一番おすすめは予防接種
産まれて間もない子供の場合は、ロタウイルスの予防接種を受ける予防方法もあります。
5歳までにほぼすべての子供がかかることや上の予防法からもわかるように、通常の予防方法にはかなり限界があります。
予防接種を受けることで、ロタウイルスの感染を防いだり、感染した際の症状を和らげる効果が期待できるので、特に初回の感染の際に症状が重くなりやすいロタウイルスには予防接種はおすすめです。
ロタウイルスの予防接種については「ロタウイルスの予防接種の必要性-効果・副作用・費用について」に詳しく記載してありますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ロタウイルスの治療法
ロタウイルスに特効薬はない
ロタウイルスに直接作用する特効薬は今のところ存在しません。そのため症状を和らげる対症療法が中心になります。
下痢止めは飲まない
ロタウイルスの症状に酷い下痢の症状があり、それを止めたくて下痢止め薬を飲む人がいますが、ロタウイルスに下痢止め薬を飲むと病気の回復を遅らせる原因になります。
下痢そのものはロタウイルスを外に出し、病気を治そうとする身体の作用なので、下痢止めを飲むことにより、結果身体にロタウイルスが残ってしまうため、基本的に下痢止めの使用はしないのが望ましいようです。
一番大事なのは水分補給
ロタウイルスによる胃腸炎の症状で、一番怖いのが脱水症状です。そのためこまめな水分補給が非常に重要です。また電解質も不足しやすいので、電解質が含まれたイオン水などで水分補給するのもおすすめです。
またお腹を刺激しないように、飲料は少し温めて、こまめに少量ずつに分けて飲むことがおすすめです。
食欲がない、水分補給ができない
ロタウイルスは、症状として激しい吐き気や嘔吐、下痢を繰り返すので食欲がでなかったり水分補給ができないこともあります。
食欲がない場合、食欲が回復するまで無理に食べる必要はありませんが、水分補給が難しい場合は迷わずに病院に行くようにしましょう。(脱水症状にならないため点滴など必要な処置をしてもらいましょう、命に関わります)
お口とお尻は清潔に
嘔吐や下痢の症状を繰り返すことで、お口周りが汚れたり、お尻がただれたりすることもあります。
温かい清潔な布巾で口周りを拭いてあげたり、ぬるま湯でお尻を洗ってあげて清潔にしてあげるのも大切な治療です。
まとめ
以上、ロタウイルスの症状と特徴、大人と子供の違いや対策はいかがだったでしょうか?簡単に今回の内容をまとめると…
・ロタウイルスの主な症状は
-微熱
-腹痛、吐き気、下痢、嘔吐
-脱水症状
・健康な大人はほぼ症状はでない
-免疫力の低下により症状がでることも
-でもほとんどノロウイルス
-便の色が白ならロタウイルス
・非常に感染力が強い
・3~5月に乳幼児を中心に流行する
・完治までだいたい発症から一週間くらい
・主な予防法は
-手洗い
-排泄物の適切な処理、漂白剤での消毒
-小さい子供なら予防接種
・治療法は
-特効薬は存在しない
-水分補給が大事
-下痢止め薬は飲まない
-お口とお尻も清潔に
-水分補給ができないなら病院へ
と言ったところでしょうか。
ロタウイルスは発症しなくても感染している可能性があるのが怖いところです。つまり大人の場合症状に出なくても感染して、子供にうつす原因を増やす可能性があるということです。
ロタウイルスは日本では死亡例が少ないウイルスとはいえ、症状は辛いものなので、正しい知識を身につけて適切に対処したいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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